都教委版「共同実施」の状況

 

都教委版『共同実施』を巡る状況(17.01,30

 

20134月の11市での試行開始から5年目の現在、試行は1区3市に拡大している。16年12月、さらに1市(小金井市)を加え、都教委のHPには「17名程度」として非常勤職員の募集が掲載された。これで次年度に試行を行う地域は、江東区、武蔵村山市、清瀬市、東村山市、小金井市の1区4市ということになる。

 

現在組合側が把握している上記以外の検討地区は、国分寺市、立川市、青梅市の3市。さらに国立市が検討を開始したという情報もある。試行や検討が拡大されている地区は、顕著に北多摩地区が中心となっている。これは、23区では、小学校の大半が1名配置になっているため、正規職員を非常勤職員に切り替えるのは難しいため、共同実施が区部に浸透しにくい。そのため拡大等地区が市部に偏らざるを得ないということもあるだろう。

 

各地区の状況を具体的に見ていくと、江東区では現在12校(正規9名)での試行だが、次年度からはそれが16校に拡大する。武蔵村山市は、2グループ14校(正規8名)の完成形であるが、今回の募集に含まれているので、非常勤職員に入れ替わりがあるということだろう。清瀬市は、現在4校(正規4名)での試行を都教委の言う標準型7校4名にするべく準備を進めているが、未だに学校徴収金事務を誰が担うのかなどの解決するべき課題が残ったままでの拡大になる。また現在は市の関係者で固めている非常勤職員を今回も縁故関係で埋めるのか、結果を注視していきたい。東村山市は、現在3校(正規3名)での試行を次年度、都教委標準型7校4名に拡大する予定であるが、19年全地域実施の計画について校長会から不安の声が上がって、全地域拡大は1年程度遅れる見込みらしい。小金井市については、次年度から4校(正規4名)での試行を開始の予定で、現在事務の切り分け等をどうするか事務職員も参加する形で検討が進んでいる。ただし、都補助金について、初度調弁に120万以上かかり、共同事務室工事についても180万円を超える見通しで、都補助金300万円の中では準備ができないなどの問題が生じている。

 

なお、今回の募集には入っていないが、国分寺市では18年度に向けての検討が進んでおり、すでに正式に検討に入っている立川市、青梅市に加えて、国立市でも検討を始めているという情報が入ってきている。

 

 都校職組は七者協と共同し、都版共同実施がどれだけ学校を疲弊させ、学校事務に混乱をもたらし、結果として一番大切な教育に支障を生じさせるのかをさらに明らかにしつつ、検討地区がこれ以上拡大しないよう各地教委への働きを強めていくつもりである。全都配布を行ったパンフレットなども活用し闘いを強化していきたい。この間、都教委との「解明要求」を巡るやり取りの中で、都教委は、都版共同実施によって生じる学校現場の疲弊・混乱にはまったく関知せず、責任はすべて地教委に押し付けるという姿勢が明らかになっている。都版共同実施に、地教委側のメリットは何もない。理を尽くした話し合いの場が持てればわれわれの主張は必ず理解される。都校職組としては、前向きの展望をもちつつ、闘いを継続していきます。

 

 

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 現行試行の状況 

 都教委版共同実施については、江東区と武蔵村山市に加え昨年度から試行実施の清瀬市(4校)、今年度から試行を開始した東村山市(3校)の1区3市で現在試行が行われています。目下、先行試行の江東区は中学校のみの実施で16校の試行(定数3減)、武蔵村山市では「松山構想」(7校4名の正規職員配置=2013年3月 日本教育新聞記事による)のとおり、7校ずつ2組織(14校=定数6減)で試行が行われており、他にも立川市、青梅市で次年度からの試行に向けての検討が行われていることが明らかになっています。

 2012年4月に2区市で試行が開始されてから5年目にあたる現在、4区市37校(定数9減)となっている試行の状況は、『10年かけて全地域に拡大』とした「松山構想」からすれば、当局の思いどおりには進行していないことは明らかで、組合7者での共闘運動が大きな抑止力になっていることは間違いありません。また試行地区においても、江東区、清瀬市での今年度の試行は予定どおりには拡大されず、定数削減の措置も進んでいません。特に清瀬市では共同事務室の運用に問題が生じたばかりでなく学校徴収金事務を誰が担うかなどの問題が解決できず、ほとんど頓挫に近い状況にあります。また、東村山市でも、4月からの共同事務室での執務が開始できないなど、総じて試行は難航しています。

 「上手く行っている」と主張する武蔵村山市の場合、全校に市事務職員が配置されていること、それまで都事務職員が給与・共済・旅費の事務しか担当して来なかったこと(他地区では、予算作成と管理・学校徴収金・備品管理・就学援助等の事務を担っていることが多い)などを考慮すると、武蔵村山の方式を全都の標準とすることにはとても無理があります。しかも武蔵村山市は堅い箝口令を敷いて生の情報をなるべく外に出そうとしていないなど、試行実態の評価は都と市当局の一方的なものです。

 実際には、「松山構想」は机上の空論ではないか、と思える状況が試行地区から見て取れます。

 

 都教委・地教委への働きかけ

都教委は、共同実施は各地教委が決めるもの、と6者共同の解明要求等に対して答えていますが、一方で地教委に対して水面下でかなり強い実施圧力をかけていることが伺われます。われわれは都教委版「共同実施」がどれだけ学校を疲弊させ、学校事務に混乱をもたらし、結果として、一番大切な「教育」に支障を生じさせる恐れがあるのかを明らかにしつつ、都教委だけではなく、各地教委への働きかけも強めていくことが必要です。

 

学校の経営力を削ぐ都版共同実施

 そもそも、国標準定数法の精神は、学校事務職員は学校に勤務し、教職員の一員として協働して学校運営に資するというものであるはずです。文部科学省は近年「チーム学校」の名の元に、事務職員も他の教員等と力を合わせ、学校全体の教育力、経営運営力を高め、学校教育の向上を図って行こうという方針を出しています。都版の共同実施は、そうした考え方とは真逆に、事務職員を学校から離し、特定の事務処理に特化させて「合理化」し、定数削減を図るという極めて悪質なものです。また、連携校を非常勤職員化することは、これからますます高度化・複雑化し重要性を増してくる学校事務の役割を矮小化し、学校の経営力を削ぐものです。都版共同実施では、学校現場の混乱はさらに進むことでしょう。都教委は、昨年の組合要請の中で「試行をやめることは(区市)地教委が決めることができる」と明言しました。そうであるならば、都教委は現場の意見にきちんと向き合い、面子を捨て、共同実施を早急に断念するべきです。

 

 組合の闘い

 都校職組を含む組合7者では、一昨年2月「共同実施反対1万人署名」(10,126筆)提出の後も、数度にわたり解明要求書等を提出し、労使協議を求め続けています。直近5月27日に、本年2月に提出済の「学校事務の共同実施に関する再解明要求書」(6者共同)に対する回答と要請の場を持ちました。これについては、再度の解明要求と回答の場を持つことになっていますが、私たちは、東京都の民主的な教育を守るのは自分たち組合だという自覚を持ちつつ、都教委を追及する手を緩めずに闘いを続けていきます。

 

 

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